本コラムでは、「電流検出抵抗器」および「シャント抵抗器」の定義や使い方、アプリケーションなどを、動画や画像を用いて分かりやすく紹介します。
■「電流検出抵抗器」および「シャント抵抗器」とは?定義は?
電流検出抵抗器とは、電流(電圧)制御、過電流制限、バッテリー残量検知などの目的で使用される抵抗器の通称です。
電流測定は回路に直列に接続し、オームの法則を利用して電流-電圧変換を行います。
シャント(Shunt)は本来「脇へそらす」「分流する」 という意味で、電流値測定範囲の拡大、変換の為に回路(負荷)に並列に接続される抵抗器を指します。
このように、本来、それぞれ別の意味、使われ方がありますが、現在では同じ機能や製品を指す用語として区別なく使用されているのが実態で、製品仕様・構造上の明確な定義や区別もありません。
■電流測定の動作原理
電流検出抵抗器を使用した電流の測定について、上記の図を用いて説明します。
上記の図において、抵抗Rは選定した固定抵抗器になります。
選定した抵抗ですので、抵抗値は既知です。(ここでは例として0.1Ωとしておきます。)
次に電圧計を用いて抵抗の両端の電圧を測定します。(ここでは例として1.0Vとしておきます。)
この抵抗値と電圧により、オームの法則で未知の電流Aを計算することができます。
具体的にはとなります。
■使用回路例
■アプリケーション例
・車載(ハイブリッド車、電気自動車)
・スマートメーター
・PC、携帯電話、モバイル端末
・電動工具
・家電、AV機器全般
・家庭用発電・蓄電装置
・データサーバー・UPS
■構造
チップ形の代表例を以下に示します。
金属板タイプ 厚膜/薄膜タイプ
(0.2mΩ~数mΩの超低抵抗に適している) (1mΩ~1Ωの低中抵抗に適している)
■電流測定/シャント抵抗器の開発トレンド
最適な回路制御に欠かせない電流測定/シャント抵抗器ですが、電流が流れることで抵抗器自身
が電力を消費し、その電力はP=I2×R(W)となります。半導体の低駆動電圧、大電流化による
電力消費増大を防ぐために、抵抗器の低抵抗値・大電力(電流)対応が進んでいます。
次の項で製品ラインナップを
紹介します。 弊社では業界
トレンドの先端を行く製品を
取り揃えています。電流検出/
シャント抵抗器一覧はこちら
からもご覧になれます。
■製品別 抵抗値・許容電流範囲・特長
以下にチップ抵抗器とリード/セメント抵抗器の抵抗値・許容電流・特長を示します。
チップ抵抗器
シリーズ名 | 製品 | 特長 |
APS | ![]() |
構造:金属板タイプ 超低抵抗(0.1mΩ~)と15Wまでの大電力。車載に最適 |
CSS/CSSH | ![]() |
構造:金属板タイプ 超低抵抗(0.25mΩ~)と最小0.5%、15ppmの超精密仕様が特長 |
CSRF | ![]() |
構造:金属箔タイプ 0.25Wの1005(mm)、0.5Wの1608(mm)サイズは業界最小クラス |
CSR/CSRN | ![]() |
構造:厚膜タイプ 4端子品は高精度の検出用途向き |
CLR | ![]() |
構造:厚膜タイプ 長期実績、高品質で一般チップとのサイズ互換性が高い |
シリーズ名をクリックすると製品詳細がご覧いただけます。
リード線形/セメント抵抗器
シリーズ名 | 製品 | 特長 |
CBR | ![]() |
構造:金属板/セメント 高精度検出用に抵抗値許容差1%を標準ラインナップ |
RWF/RWFN |
|
構造:アキシャルリード型巻線 |
シリーズ名をクリックすると製品詳細がご覧いただけます。
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